前回紹介した8つの柱についてご説明します。
自然農法と言っても厳密な定義はないようなので、実践されている諸先輩方々を参考にしてシャープ菜園で実践可能なものを選んでみました。
耕さない
通常、野菜のベッドである畝は毎年耕すものと思ってましたが、自然農法では雑草の力を借ります。
雑草を刈り取れば、根は微生物が分解し、根があった部分は空気や水の通り道になり、耕したことと同じような効果があります。
また、雑草の根は作物に有益な根粒菌や菌根菌などさまざまな菌を土の中に増やしてくれるそうです。
よって自然農法では、微生物や菌をリセットしてしまう土を攪拌する行為(=耕す)を行わないそうです。
ウチの菜園は7mの畝が2本だけですが、毎年耕すとなると初心者にとってはかなりの重労働です。
耕さないでいいだけでもハードルが下がりますよね。
ただし、最初だけは畝の「荒おこし」が必要ですが、これについては次回以降に紹介します。
化成肥料を入れない
前述のように雑草を利用して、土の中にたくさんの有機物が有る状態にすれば、それを微生物が分解してくれるので、作物が育つ栄養は化成肥料を入れなくても充分あるよ、ということだそうです。
なんだか眉唾の話ですが、YouTubeでは多くの方が無肥料で立派な野菜を収穫している動画があり、やってみる価値はあると思いました。
シャープ菜園の場合は、雑草が1本も生えていない状況からのスタートですので、マメ科であるクローバーの種を蒔きました。
クローバーの種を蒔いて、ある程度育ったら前述のように刈り取って畝の上に乗せる、を繰り返すだけで、地中に残った根を微生物が分解してくれます。
クローバーを選んだ理由は、マメ科なので土中に作物の三大栄養素(窒素・リン・カリウム)の一つである窒素を貯めてくれるそうです。
また畝の上の刈り取ったクローバーも微生物が分解してやがて土に還ります。
化成肥料を敵としているのではなく、肥料代が浮く、ひと手間減らせるという意味もあります。
農薬を撒かない
農薬によって害虫を駆除したり、忌避するという行為をしないということです。
農薬を使わなければ害虫は来ますがそれを捕食する益虫も来るので、時間はかかりますがいつかはバランスがとれて害虫の影響は少なくなるそうです。
(特定の作物が全滅ってことにはならなくなるそうです)
趣味の延長ですから、最初は虫と折半するくらいの気持ちでスタートします。
やがてこっちの取り分が増えてくるかなと思っています。
また、孫がもう少し大きくなったら一緒に収穫をするのが楽しみですので、今後自然農法以外を選択しても無農薬で育てたいと思います。
(既定の濃度を守れば人体に影響が無いことも分かっておりますが、気持ちの問題なので)
ビニールマルチの代わりに草マルチ
雑草を刈り取って畝に被せることにより、ビニールマルチの代わりに草マルチとして畝の温度調整や乾燥を防いでくれます。
また、微生物が分解して緑肥にもなります。
一石二鳥ですね。
雑草の刈り取り方は、根から引き抜かずに根を残して刈り取ります。
こうすることによって、何度も生えてくれます。
ビニールマルチは農業資材ですから使用後はゴミになってしまいますが、雑草は活用すれば草マルチ、緑肥になりゴミにはなりません。
雑草を味方にして活用
前述のように自然農法では雑草は敵ではなく味方で、雑草の力を借ります。
雑草は放っておいても勝手に生えてくるので助かります。
むしろ足りないくらいで、夏場に何度も刈っては一部を保存しておきます。
それでも足りないので、境界ブロック沿いにエン麦を植えています。
(早く背が高くなるので重宝しています)
一般的には、除草と聞くとたいへんと思われますが、味方と思えばたいした苦労とは思えなくなるのが不思議です。
水やりは自然(雨)に任せる
自然農法では基本的に水やりを行わず、草や作物が自身の根で水分を取りに行く(根を下に伸ばす)ことをなるべく妨げないそうです。
先述の「草マルチ」で畝がしっかり覆われていれば雨に任せておけばよいとのことです。
とはいえ、昨今の真夏の酷暑はひどいですね。大丈夫か心配です。
なるべく種から育てる
基本的に自然農法では、畝に直接種を撒くか、セルトレー(育苗床)で育苗してから畝に定植する方法で行うそうです。
ホームセンターなどで売っているポット苗は便利ですが、ポット内の土に成長を促進する肥料などが入っている場合が多いのでなるべく使わないそうです。
また、種から育てた方がコスパがいいし色々な品種を選べるのもイイですね。
コンパニオンプランツを利用
互いに助け合って生育する相性のよい植物同士(=コンパニオンプランツ)を混植して、生育促進(肥料の代わり)、病害虫の予防効果(農薬の代わり)を目指します。
こうしてまとめてみると、週末家庭菜園にピッタリな農法だなぁと思うわけです。
今回は8つの柱として説明しましたが、自然農法家によって定義が異なるようです。
最後に大事なことですが、自然農法が目的ではなく美味しい野菜を収穫することが目的ですので、時には8つの柱にこだわらず自分に合った方法でやればよいと思います。