『農業全書』を読んでみた

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農業全書1 番外編

この本を一言で言うと、「江戸時代に発行された農民向けの農法技術書」

『農業全書』は、徳川幕府第5代将軍徳川綱吉の時代の1697年(元禄10年)につくられました。

日本最古の農業書と言われています。

自然農法を実践している方の中には、この「農業全書」から何かしらの影響を受けている方が多いように感じていました。

化成肥料や殺虫剤などが無かった時代の農法技術なので、自然農法と相性がいいのかもしれません。

【基本情報】

全11巻から成り、序文は福岡藩の儒学者であった貝原益軒が書き、中心となる1巻から10巻までは元福岡藩士の宮崎安貞が書き、付録である11巻は同じく福岡藩士で益軒の兄、儒学者の貝原楽軒が書いています。

・第1巻 農事総論(耕作、種子、水利など)
・第2巻 五穀之類(稲、麦、蕎麦など)
・第3巻 菜之類(大根、蕪、人参など)

・第4巻 菜之類(葱、韮、ニンニクなど)
・第5巻 山野菜之類(芹、蕨、土筆など)
・第6巻 三草之類(綿、藍、菅など)
・第7巻 四木之類(茶、漆、楮、桑)
・第8巻 菓木之類(すもも、杏、梨など)
・第9巻 諸木之類(松、杉、檜など)
・第10巻 生類養法(鶏、家鴨など)・薬種
・第11巻 附録(農民の心得)

私が手に入れた本は、全11巻を1冊の文庫版にまとめた書籍です(岩波文庫)。

農業全書2

ハードカバーで現代語訳のもの(超高価)もあるようですが、手に入れやすいのはこの文庫版だと思います。

ただしこの文庫版、2つ問題があります。

■字がめちゃくちゃ小さいです!

還暦過ぎのジィジにはかなりキツかったです。

■古い仮名使い・漢字・表現

江戸時代の書籍ですからしかたありませんが、文庫版で現代語訳を出してほしいです。

【泉水坂シャープが楽しめた頁】

シャープ菜園では、長ネギに力を入れていこうと思っているので、第4巻菜之類の「葱(ねぎ)」を読んでビックリ。

なんと11箇所に「小便を根にそそぎ、、、」「小便を度々そそぐべし、、、」と書かれていました!

たしかに第1巻農事総論では「糞(こえ)」の項目があり、「苗糞、草糞、灰糞、泥糞の四色あり」と書かれていて糞の大切さが書かれています。

「葱には小便」これ覚えておきましょう(笑)

【泉水坂シャープがオススメする読み方】

■第1巻の農事総論を読み、第2巻以降は興味のある作物の項のみを読み、全体にちりばめられているイラスト(スケッチ?挿し絵?)を楽しむ。

とにかく数多くの植物が掲載されていますので、最初から順序よく読む必要はないと思います。

■先のブログに書いた「NHKスペシャル 超・進化論」と合わせて読む。

最新の技術により明らかになったことと江戸時代の技術を比べるのは酷ですが、江戸時代ですでに循環型の農法が行われていたことは、自然農法、協生農法にも通じる部分があり、違いや共通を探し出すのも面白いと思います。

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