家庭菜園をしていると、野菜を育てるだけでは終わらず、
「自然とどう向き合うのか」という問いが、毎日のように押し寄せてきます。
たとえば、トマトの畝に生えてきた雑草。
一生懸命に抜いたはずなのに、数日後にはまた元気に顔を出す。
「敵」として扱えば扱うほど、逆に力強くなっているようにも見えて、
ふと「これは本当に戦うべき相手なのか?」と立ち止まることがあります。
虫も同じです。
葉を食べられたときには腹立たしく感じますが、
よく見ると、その虫を食べにくる天敵が現れたりして、
畑全体がひとつの小さな世界をつくっていることに気づかされます。
そんな折に出会ったのが、福岡正信さんの 『わら一本の革命』 でした。
この本には「草も虫も敵ではない」という言葉があります。
最初は「そんなきれいごとを…」と思いましたが、
畑での実体験と重ね合わせるうちに、心の奥まで染み込んでくる言葉でした。
私は今年、病気で右足を失い、義足で新しい生活を始めました。
正直、最初は「なぜ自分がこんな目に」と落ち込む日々もありました。
でも、『わら一本の革命』を読み返していると、
「自然に逆らわずに生きる」ことが、自分の歩みそのものと重なってきました。
草を力ずくでねじ伏せるのではなく、
虫を片っ端から駆除するのでもなく、
あるがままを受け入れながら共に生きる。
義足での暮らしも同じです。
「失ったもの」に目を向けて戦うより、「今あるもの」と共に生きるほうが、ずっと楽になる。
この気づきを与えてくれたのが、まさにこの一冊でした。
畑を耕す人だけでなく、人生に少し立ち止まりたい人にとっても、
『わら一本の革命』は大きなヒントをくれる本だと思います。
畑に出ると、風に揺れる草や虫の動きにさえ学びがあります。
そして、その声に耳を澄ませるきっかけをくれたのが、この本でした。

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