長年乗り続けた愛車を、息子に託しました。
風を感じる時間は終わっても、思い出はずっと胸の中に残ります。
長年の相棒「Colnago Master X-Light」が、ついに息子の元へ旅立ちました。
右足を失ってから、自転車という趣味は自然と手放すことになりました。
あの細いタイヤで走る感覚、風をまとうようなスピード感。
もう一度味わいたい気持ちはありますが、それよりも「次の世代に渡せた」ことの方が、今は嬉しい。
ちょうど息子がトライアスロンを始めたタイミングでした。
「練習用に使いたい」と言ってくれたのです。
最新のカーボンやアルミではなく、昔ながらのクロモリ。
少し重いけれど、脚を鍛えるにはうってつけ。
クロモリフレームは今では珍しく、カーボン全盛の中で逆に注目を集める存在。
たぶんレース会場では別の意味でも注目されるでしょう。
昨日、息子はヘルメットや工具、ポンプと一緒にそのColnagoを持ち帰りました。
もう一台、MTB(マウンテンバイク)もあります。
こちらは私の体を採寸してフレームから作った特注車。
20年乗り続けてボロボロですが、どんな高級車よりも愛着があります。
いずれは孫が乗ってくれたら…なんて淡い夢も。
(もっとも、女の子ですし、興味を持ってくれるかは怪しいですが)
右足を失って諦めざるを得なかったことは、自転車とジムニー(5速MT)だけ。
けれど、命を取り戻して、こうして日常を送れている。
かわいい孫にも会える。
そう思えば、「生きてるだけで丸儲け」です。
Colnago、ありがとう。
これからは、ペダルの代わりに鍬を握り、家庭菜園を耕します。
ときどき博物館を訪ね、神社で御朱印を集めて、人生の“ゆっくりモード”を楽しんでいこうと思います。
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