ビル・パーキンス著の『Die With Zero』を読みました。
さまざまなメディアで取り上げられている話題の本で、
「お金を最大化するな、人生を最大化せよ」
という強烈なメッセージの本です。
読む前は、
「資産を残さずに死のう!」
「死ぬまでに資産を使い切ろう!」
というメッセージだと思い、
「そりゃ無理でしょう!」
「娘や孫が将来困らないよう資産を残すのも幸せのうち」
と反論したくて読みすすめました。
ところが読んでみると、もっと深くて共感できる内容でしたので紹介します。
まずは、『Die With Zero』の内容をざっくり紹介したのち、Die With Zeroを実践しはじめる年代となる「60歳からの Die With Zero 実践プラン」を紹介します。
Die With Zero とは
この本の結論
「死ぬときにお金を余らせるな」
「お金は思い出に変えろ」
つまり、
→ お金を貯めることが目的ではない
→ 人生の充実度を最大化することが目的
という考え方です。
なぜ“ゼロで死ぬ”のか?
多くの人は
- 老後が不安
- 長生きリスクが怖い
- お金が足りなくなるのが嫌
だから「使わずに貯め続ける」。
でも著者は言います。
多くの人は「お金を残しすぎて」死んでいる。
これは「人生体験の取りこぼし」だ、と。
重要なキーワード①
「経験という配当」
・若いときの旅行
・子どもとの思い出
・挑戦した経験
これらは後から何度も思い出せます。
これを著者は“経験から得られる複利” と呼びます。
株の配当より、思い出の配当、、、ちょっとグッときますよね。
重要なキーワード②
「タイムバケット」
人生を
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代 …
と分けて考え、
「その年齢でしかできない体験にお金を使え」という考え方。
たとえば
- 30代のバックパッカー旅は70代では無理
- 小さな子どもとの旅行は今しかない
お金には「使いどきがある」ということです。
重要なキーワード③
「老後に貯めすぎるな」
著者はデータを示します。
- 70代以降は支出が減る
- 80代ではさらに減る
- 90代ではもっと減る
つまり多くの人は、使いきれないまま亡くなる。
だから
✔ 60代からは計画的に取り崩す
✔ 子どもへの贈与は“生きているうちに”
と提案しています。
「相続は遅すぎる」とまで言っています。
この本が問いかけること
あなたは
- 銀行口座の残高を最大化したい?
- それとも人生の満足度を最大化したい?
という究極の問い。
注意点(日本人目線で)
- 日本は長寿国
- 医療費の不安もある
- 公的年金制度もある
なので「全部使え!」という極論ではありません。
正しくは、
⚫︎必要以上に守りすぎるな
⚫︎お金を“経験”に変える勇気を持て
というメッセージです。
60歳からの Die With Zero 実践プラン
① まずは安心ラインを決める
攻める前に土台を固めます。
✔ 生活費 − 年金 = 不足額
その不足額を
「何歳まで生きる想定か」で掛け算。
例)
不足 月5万円 × 12か月 × 25年 = 1,500万円
これが“最低防衛ライン”。
ここを確保できていれば、それ以上は「人生加速資金」です。
不安の正体は“数字が曖昧”なこと。数字にすると心が落ち着きます。
② 60代は“体験の黄金期”
70代になると
- 長距離移動がしんどい
- 海外旅行が面倒
- 体力勝負の趣味が減る
60代は
✔ 体力あり
✔ 判断力あり
✔ 時間あり
実は一番自由。
③ 60代でやるべき3つの投資
■ 夫婦体験投資
・ちょっと良い旅館
・平日ゆったり旅行
・思い出の地めぐり
「そのうち」は来ません。
■ 孫体験投資
・一緒に旅行
・テーマパーク
・記念日のプレゼント
相続より“今の笑顔”。孫は今が一番かわいい。
これは期間限定イベントです。
■ 健康投資
・歯の治療
・人間ドック
・運動・リハビリ
・良いマットレス(笑)
健康は最大のリターン資産。
④ お金の出口戦略(超重要)
60代は「取り崩し練習期間」。
✔ 年2〜4%取り崩しスタート
高配当投資の場合は、元本を取り崩さず、配当金の再投資を行わず、配当金を積極的に使うステージ。
いきなり大きく使わない。まずは「使うことに慣れる」。
日本人は“使う罪悪感”が強い。でもそれは若い頃の“貯める癖”。
今はフェーズが違います。
⑤ 70代以降の資産イメージ
理想は
- 60代:経験投資期
- 70代:緩やか消費期
- 80代:生活安定期
- 90代:ほぼゼロに近づく
「ゼロ=無一文」ではなく“ちょうどよく使い切る” が目標。
⑥ 日本版アレンジ(超現実的)
日本は、
✔ 高額療養費制度あり
✔ 公的年金あり
✔ 医療の質が高い
だから米国ほど極端に心配しなくていい。
むしろ多くの人は“残しすぎ”で終わります。
⑦ 心のブレーキを外す質問
- 今やらなかったら後悔することは?
- 体力が落ちたらできないことは?
- お金を墓場まで持っていく意味は?
この3つは強力です。
⑧60代の視点で考える
例えば、
- 旅行に行くなら「元気な今」
- 妻と過ごす時間
- 孫との体験
- 新しい挑戦
体力も気力も“今”が一番若い。
お金は使ってもまた回せる。
時間は複利で減っていきます。
ここがこの本の核心です。
まとめ
Die With Zeroの本質は、「金を減らせ」ではなく「人生を前倒しで楽しめ」です。
60代は守りだけではもったいない。“計画的攻め”に入りましょう。

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